コードが書けなくても、アプリは作れた — 37歳総務が踏み出した2ヶ月
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10年前、沢井さん(37)はプログラミングの入門書を閉じた。変数、関数、オブジェクト指向——どれも頭に入らず、「自分には向いていない」と結論づけた。
それでも消えなかった思いがある。自分の手で、誰かの役に立つサービスを作りたい。
総務部で働く日々の中、ExcelやGoogleスプレッドシートで業務効率化を試みるたび、「もっと自由に作れたら」という想いが湧いた。けれど、エンジニアを目指すほどの時間も覚悟もない。夫と小学3年生の娘がいる生活の中で、夜にスクールへ通うのは現実的ではなかった。
転機は2026年1月、SNSで流れてきた一本の投稿だった。
「コードを書かずに、AIに作らせる。これがバイブコーディング」
半信半疑でリンク先の記事を読むと、対話型のAI開発ツールを使えば、自然な言葉でアプリの指示を出すだけで、AIがコードを生成してくれると書かれていた。「ログイン画面を作って」「この項目を追加して」——そんな日常の言葉が、そのままプログラムになる。
その日の夜、沢井さんは無料枠のある対話型AI開発ツールをダウンロードした。画面を開き、「簡単な備品管理アプリを作りたい」と打ち込んだ。
数秒後、コードが生成され、画面上に小さなフォームが現れた。
「動いている」
それだけで、胸が熱くなった。
目標は明確だった。社内の備品管理を、もっとシンプルにしたい。
現状、備品の貸出状況は紙の台帳とExcelで管理しており、誰が何を借りているか把握するのに時間がかかっていた。「この状況を変えられたら」と、ずっと思っていた。
沢井さんは毎晩、娘が寝た後の22時から22時30分を開発時間に充てた。対話型AIツールに指示を出し、生成されたコードを確認し、うまく動かない箇所があれば「ここがエラーになる」と伝える。すると、AIが修正案を提示してくれる。
最初の1週間はエラーの連続だった。画面が真っ白になったり、ボタンを押しても何も起こらなかったり。それでも、AIとの対話を繰り返すうち、「このエラーは入力項目が足りない」「このエラーはデータベース接続の問題」と、パターンが見えてきた。
3週目には、備品の名前と借りた人の名前を登録できる基本機能が完成した。4週目には返却予定日のアラート機能を追加し、5週目にはスマホでも見やすいデザインに調整した。
そして2ヶ月後の3月上旬、沢井さんは同僚3人にアプリを試してもらった。
「これ、めっちゃ便利じゃん」
同僚の一言が、すべてを報いた。
それまで紙の台帳を探し回っていた備品の貸出状況が、スマホを開けば一目で分かる。返却予定日の前日には通知が届く。貸出・返却の記録にかかる時間は、1件あたり約3分から30秒に短縮された。
「私、アプリ作れたんだ」
その実感は、10年前に閉じた入門書の向こう側にあった景色だった。
沢井さんが身につけたのは、プログラミング言語ではない。AIとの対話の仕方だった。
「このボタンを押したら、この画面に移動してほしい」 「エラーが出たけど、どこが間違ってる?」 「もっとシンプルなデザインにしたい」
そんな自然な言葉を、AIが理解できる形で伝える。それは、まるで後輩に仕事を頼むような感覚に近い。完璧な指示を出す必要はなく、試行錯誤しながら一緒に形にしていく。
対話型AIの背後には、大規模な文書処理能力を持つ言語モデルが動いている。2026年4月時点で主流のモデルは、1.5万ページ以上の文書を一度に処理できる能力を持ち、過去の会話履歴を踏まえて次の提案をしてくれる。
これは、かつての「プログラミング学習」とはまったく違う体験だ。構文を丸暗記する必要はなく、エラーメッセージの意味を完全に理解しなくても、AIが翻訳してくれる。
備品管理アプリは、今も社内で使われている。月に約80件の貸出記録が登録され、返却忘れは半減した。
沢井さんの次の目標は、顧客向けの簡易予約システムだ。会社が運営する小さな会議室の予約を、もっとスムーズにしたい。夏までに完成させることを目標に、また夜の30分を積み重ねている。
「作りたいものが、自分の手で形になる。それが、こんなに楽しいなんて思わなかった」
沢井さんの言葉には、10年前には見えなかった景色が映っている。
プログラミングを諦めた人は多い。けれど、2026年の今、その扉は再び開かれている。
必要なのは、完璧なコードではなく、「作りたい」という想いだ。対話型AIは、その想いを形にする相棒になる。
もしあなたにも、諦めかけた「作りたいもの」があるなら、今夜30分だけ、AIと対話してみてほしい。「こんなアプリを作りたい」と、まずは言葉にしてみることから始まる。
HAIIA の認定資格では、AI活用の基礎から実践まで、体系的に学べるプログラムを提供している。また、HAIIA の3つの軸では、AIを使った自己実現のあり方を深く掘り下げている。一人で始めるのが不安なら、仲間募集のページから、同じように挑戦する仲間と繋がることもできる。
あなたの「いつか」を、今日から「今」に変える。その一歩を、AIと共に。
はい、作れます。沢井さんのように、10年前に挫折した経験があっても大丈夫です。バイブコーディングでは、自然な言葉でAIに指示を出すだけでコードが生成されます。重要なのは「何を作りたいか」を明確にすることで、構文や文法を暗記する必要はありません。最初は小さな機能から始め、AIとの対話を繰り返すうちに、徐々に複雑な機能も実現できるようになります。
個人差はありますが、1日30分の作業で、2〜3ヶ月あれば基本的な業務アプリは完成させられます。沢井さんの場合、毎晩22時から30分を開発時間に充て、2ヶ月で備品管理アプリを完成させました。最初の1週間はエラー対応に時間がかかりますが、3週目には基本機能が動き始め、5週目にはデザイン調整まで進められます。焦らず、少しずつ積み重ねることが成功の鍵です。
無料枠から始められるツールが多数あります。最初は無料プランで十分で、月額料金が発生するのは、より高度な機能や大量のコード生成が必要になった段階です。多くの対話型AI開発ツールは、月額2,000〜3,000円程度のプランで十分な機能を提供しています。沢井さんも最初の1ヶ月は完全無料で始め、2ヶ月目から月額プランに切り替えました。
この記事は HAIIA Notes からの転載です。